白血病


乳幼児に多い血液のガンで、子どものものでは最も多いものです。原因は分かっていません。未熟で白血球系の細胞ながら白血球の働きをしない腫瘍細胞が骨髄といういろいろな血液細胞の工場を占拠し、そのため正常な細胞である赤血球、白血球、血小板などが減少し、その結果貧血、感染を起こしやすくなる、出血しやすくなるといった症状がでてきます。
子どもの白血病の特徴として、急性でリンパ球様の悪性細胞が増える急性リンパ性白血病が多く、この場合抗ガン剤が効果がある場合が多く、中枢神経に悪性細胞が浸潤するなどの危険が大人より高くなります。
最近ではいろいろな治療により生存例の方が多くなっています。

症状
赤血球、白血球、血小板などが減ることによる症状がでてきます。貧血を起こし顔色が悪くなり、感染症を起こしやすくなり、また、出血しやすくなり出血斑がでてきます。そのほか、発熱、リンパ節の腫れ、頭痛、骨痛、関節痛など多くの症状がみられます。

診断
血液検査と骨髄穿刺という検査によって診断します。骨髄中には白血球系の異常細胞(悪性細胞)が増えています。これらは血液中にもでてきます。

治療
抗ガン剤を使用します。抗ガン剤で悪性細胞を徹底的に殺してしまう治療です。徹底的に殺してしまうと正常の細胞もほとんどなくなってしまいますが、これを何とか外から赤血球や白血球、血小板を補います。
出血や感染などと戦いながら次第に骨髄に正常細胞が増えてくれば良くなっていきます。
こうした治療で現在5年生存率が50〜60%と良くなってきました。悪性の細胞がある一定量以下になると免疫の力で治癒してしまう可能性があるのです。
最近では骨髄移植が行われるようになりました。生存率の向上が期待されています。

生活上の注意
治療は長く続きます。入院は数ヶ月にわたります。感染や出血に注意をしておきましょう。

将来のこと
急性リンパ性白血病では上に上げた治療でかなり生存率が高くなってきましたが予断を許しません。急性骨髄性白血病などはまだ治療効果は良くありません。


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