ヘルペス性歯肉口内炎


原因
単純ヘルペスウイルスT型が感染しておこります。ほとんどが初めての感染です。潜伏期は2〜7日です。

感染経路
ヘルペスウイルスをもつ人(母親、家族)との接触接触でおこります。飛沫感染もあります。お母さんや兄弟で口内炎がある場合には気をつけてください。

好発年齢
 主にお母さんからの移行抗体がなくなる、生後6ヶ月から3歳までの乳幼児に見られますが、最近では15歳くらいまでの大きなお子さんにも見られるようになりました。不思議な傾向です。

症状
口やのどが痛がり、発熱が2〜5日続きます。一般にかなり高熱がでます。
この病気の特徴は発熱後2〜3日目から歯肉が腫れてくるため、最初はこの病気かどうかわからないので診断にとても気を遣うことです。
口の中に口内炎が多数出現し、歯ぐきが赤く腫れてきます。口の周りの皮膚に水泡ができることもあります。 歯磨きをすると出血します。痛みは5〜7日、症状全体は7日から14日続き、治癒します。

食事
痛みが強く、食べないことが多いので、できるだけ刺激の少ない水分をしっかり取りましょう。食べなくても水分をしっかりとれていれば大丈夫です。 
飲みやすく、口当たりの良いものを与えます。プリン、ゼリーなど。乳酸菌飲料やジュース類は痛みを増すことがあるので、与えない方が無難です。牛乳、プリン、アイスクリームなどがいいでしょう。少量頻回に与えるのも一つの方法です。
食後はぬるめのお湯やイソジンなどでうがいをし、口の中を清潔にします。

家庭での注意
ウイルスは通常は1週間、時に数週間ウイルスが排出されることもあります。再燃の場合は3〜4日といわれています。感染はウイルスを含んだ唾液や口唇病変への直接の接触によって起こります。
食器などは別にしましょう。タオルも別にしましょう。
患児にふれたときはよく手を洗います。
外出は良くなってしまうまではひかえましょう
入浴:熱が下がって元気が出たら入れていいです。
歯磨きは歯肉の炎症がなくなるまではしないでください。

学校・保育園・幼稚園
口の中が良くなるまでは休む方がいいのですが、症状が取れるのは2週間くらいかかることが多いので、痛みがなくなったら気をつけて行くことができます。

治療
単純ヘルペスウイルスを抑える薬を内服します。痛み止めや口内炎のためのビタミン剤を使います。

救急の場合
けいれんや、意識障害などの症状があるときは至急病院を受診してください。→単純ヘルペスウイルスによる急性脳炎が疑われます。

その他のトピック
HAEM(herpes-associated erythema multiforme):単純ヘルペス発症後の1〜2週間以内に、四肢を中心に標的状の浮腫性紅班が出現するものです。
発症率は単純ヘルペス患者の1%でHSV-1、HSV-2のいずれでも発症します。単純ヘルペス発症時にきちんと抗ウイルス剤を使用すれば発症を予防することができると言われています。
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