細菌性腸炎


 細菌性腸炎はいろいろな細菌が感染して起こる腸炎です。キャンピロバクター菌サルモネラ菌病原性大腸菌、エルシニア菌、赤痢菌、コレラ菌、腸炎ビブリオなどが入った食物を食べることによって感染します。

症状と経過
細菌によって多少症状が異なります。
発熱、腹痛、嘔吐、下痢です。下痢には粘液,膿、血液がかなり混じることがあります。
腹痛はかなり強いことがあり、下痢も非常に回数が多くなることがあります。便が軟便だけのこともあります。便だけではどの細菌であるかは分かりません。
4〜10日間ほどで、主要症状はとれ、次第に良くなります。

診断
便の中の菌を培養して調べ、細菌が検出されれば確定します。

治療
最初に症状が強い場合は抗生物質を使いますが、それ以外は整腸剤などを使うのみです。強い下痢止めは使いません。
症状が強い場合は絶食にして、輸液などを行います。入院が必要なこともあります。

食事
食事療法が重要です。
下痢が激しいときは、水分だけにします。お茶、ポカリスゥエット、おもゆなどを与えます。水分は多く取らせましょう。
少し便が良くなったら、便と同じ固さのものを少量ずつあげます。
乳製品、冷たいもの、油で揚げたもの、繊維の多いものは避けます。
下痢のときの食べ物を参考にしてください。

注意すること
生のものは食べないこと。
動物などにさわったあとは手をよく洗いましょう。
便が良くなっても便の培養で2回菌が陰性になるまで検査を行っておきましょう。 春から夏にかけて、急速に患者さんが増えてきます。この時期は特に気をつけてください。
(文献 28)


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