中学生のための風疹の予防接種について


このページの内容は児島医師会として、児島地区の中学校に配布しているものです。参考にしてください。

風疹と妊娠の関係
 風疹の抗体をもっていない妊婦が妊娠の1ヶ月前から妊娠12週迄の間に風疹にかかると約2割の胎児に生れつきの異常が見られます。これは先天性風疹症候群といって未熟児で出生したり、心臓、眼、耳に奇形などの異常を起こします。風疹は俗に「三日ばしか」と言われるように一般的には軽い病気ですが、妊娠初期の母親にとっては大変恐ろしいものと言えるでしょう。妊娠初期に風疹にかかって中絶を受ける悲劇が毎年見られます。どうしたら予防できるのでしょうか。

風疹ワクチンは忘れられています
 ある調査によると、15才で行っていた風疹ワクチンについて、5人に1人が接種を受けたかどうか憶えていませんでした。記憶していない人の両親の6割がやはり忘れていました。平成7年に予防接種法改正により風疹ワクチンは個別接種(自分で医療機関を受診した上、接種を受けること)に変更されたため、全国的に風疹ワクチン接種率が非常に低下しています。倉敷市でも川崎医大での調査では、中学校女子では集団接種時には70%あった接種率が平成8年に6%、9年には12%と大幅に低下しています。そして現在、妊婦の90%以上は風疹に対する免疫を持っていますが、やがて70%位になると予想され、このままでほ将来、風疹感染による先天異常児の出生や人工妊娠中絶が激増する可能性があります。

風疹ワクチンについて
 現在の風疹ワクチンは非常に効果的で、接種を受けた人のほぼ95%に生涯の免疫ができます。しかも副作用は小児の場合ほとんどないか現れたとしても軽微です。
 過去に風疹になったかどうかよくわからない場合でも接種を受けても差し支えありません。風疹といわれていたことがあっても、確定的でない場合は接種を受けるべきです。また、その方がより確実に免疫がつきます(将来は2回接種が検討されています)。また、このワクチンは生ワクチンなので妊娠の予定があったり、妊娠してからでは接種できません。先に述べましたようにこの時期は胎児に影響の出るおそれがあるからです。だからこそ妊娠するおそれのない時期に接種することが大切なのです。
 現在、風疹ワクチンは国が行う定期接種に指定され、男女とも1歳から7歳半までと12歳から16歳未満までは費用は無料です(平成15年9月まで)。平成15年10月からは7歳半までのみとなりそうです。対象年齢をすぎると有料となってしまいます。

風疹ワクチンの受け方
 このワクチンは個別接種ですので、体調の良いときに接種を行っている医療機関を受診して、できるだけ早く接種を受けてください。そのとき母子手帳を忘れないようにしてください。記録が残りますし、他の予防接種の有無を確認できます。(中学生では日本脳炎の5回目も忘れられています)
予防手段があるのにこれを受けないで、中絶を受けることになったり、先天異常の赤ちゃんが生まれる恐れがあるのはとても不幸なことです。是非中学生のうちに風疹ワクチンを受けておいて下さい。


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