尿中NAG


尿中NAGとは
NAG(N-アセチル-β−D−グルコサミニダーゼ)は有核細胞のlysosomeに存在する分子量112kDaの加水分解酵素で、近位尿細管細胞の刷子縁および血中に存在する。尿細管傷害の鋭敏な指標であるが、糸球体傷害でも尿中に濾過され増加する。

尿中NAGには日内変動があり、早朝から午前中にかけて高く、午後から夜間にかけて低くなるため、24時間蓄尿検体採取が望ましい。随時尿はクレアチニン比で評価する。
ph8以上のアルカリ尿では活性が低下する。細胞成分が多い尿では、細胞のNAG活性のため見かけ上高値となることがある。

基準値
蓄尿 1-5U/l
随時尿 0.9-2.4U/l
異常値を認めた場合
急性尿細管壊死、Fanconi症候群、Wilson病、アミノグリコシド系抗菌剤や重金属など薬剤による尿細管傷害や間質性腎炎などの高度の糸球体傷害でも血中のNAGが増加するため、尿中排泄が増加する。
高度の場合は尿中β2mなどの他の尿細管傷害の指標の検査、BUN、血清クレアチニン、クレアチニンクリアランス測定など腎機能の評価を行う。
(文献 46)

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