尋常性白斑


尋常性白斑とは
白斑は、皮膚にある色素細胞が減少、もしくは消失した結果生じます。色素細胞が消失していく原因としては、自己免疫、色素細胞の自己破壊、神経の色素細胞に対する作用、代謝傷害、などがあげられます。

症状
皮膚の一部に限局して生じる型と、身体の両則性に広範に見られる汎発型とがあります。

原因
1. 自己免疫疾患
2. 色素細胞の自己破壊
3. 神経の色素細胞に対する作用
4. 代謝障害

治療
1)ステロイド薬外用
限局型ではステロイド薬外用にて改善する場合がありますが、汎発型ではステロイド薬外用が奏功する可能性は高いとは言えません。この型に対しては、紫外線治療が有効であることが報告されています。

2)紫外線療法
1.汎発型に対し・ステロイド外用薬との併用でより効果的である
2.治療の経過において皮膚色が白黒まだらになることがある
3.色素再生がみられないことがある
4.紫外線による皮膚の発ガンリスクが高くなる

治療の詳細(下記文献からの転載です)
紫外線療法としては、オクソラレンを内服もしくは外用して長波長紫外線を照射するPUVA 療法、広波長域中波長紫外線(UVB)療法、311nmにシングルピークを持つナローバンドUVB療法があります。このうち、ナローバンドUVB療法がもっとも効果が高いと報告されており、またその際にステロイド薬の外用を併用した方がより効果的であることが明らかにされております。
紫外線療法を受けると、日焼け反応による色素沈着が白斑と健常皮膚の境目に特に強く生じたり、また白斑の治癒過程において毛包一致性に色素再生が見られるために、皮膚色が白黒まだらになる結果、かえってみための印象が悪くなるかもしれません。しかし、治療効果が進むと白斑の面積は少なくなり、これらのまだらな皮膚色も改善していきます。
紫外線治療の最も重要な問題点は、紫外線による発ガンリスクの上昇です。この点から治療をいつまで続けるのか、ということが問題点として残ります。75%以上の色素再生が見られることを指標にすると、汎発型では紫外線治療により、半数以上で色素再生が見られますが、治療に反応しない方もおられます。紫外線治療にて色素再生が見られないようであれば、漫然と紫外線治療を続けることは好ましくありません。
このような場合には、セルフタニング剤である5%ジヒドロキシアセトンで角層に着色する方法があるようです。

治療経過中にかえって外観が損なわれる可能性があること、治療に反応しない方もおられること、紫外線による発ガンリスクが高くなることをご理解いただいた上で治療を希望されるのであれば、治療を勧める」と記載されています。

(メディカルレビュー社 「患者さんから浴びせられる皮膚疾患100の質問」宮地良樹編 206ページ 船坂陽子)

その他
「2006年の今日の小児治療指針」には「本性は治療しにくい病気である。比較的簡単に治るものもあるが、多くは難治性の経過をたどる。無理に直そうとして強い治療を行うと副作用に苦しむことになる。治療前にこれらの事実を告げ過度の期待といだかせないようにすべきであるとあります。
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