原発性手掌多汗症 Sudoresis


原発性手掌多汗症とは、特に病気などの明らかな原因がないにもかかわらず、手のひら(手掌)に日常生活に支障をきたすほど、たくさんの汗が出てしまう状態です。
患者さんの数は国内で493.1万人いると推計されており、決して珍しくはありません。
多くは10代頃(平均発症年齢13.8歳)に症状が現れ始め、学校生活にも支障をきたしていることがあります。
また、治療法があるとの認知が広がっていないために成人になっても手汗のために困っている方がたくさんいるようです。

診断基準
1.最初に手の多汗症状がでたのが25歳以下
2.左右の手のひらに汗をかく
3.睡眠中は発汗が止まっている
4.1週間に1一回以上手の多汗症状がみられる
5.家族に同じ症状の方がいる
6.手汗のために日常生活の支障をきたしている

症状
とにかく頻回に吐きます。ぐったりして元気がなく、顔面は蒼白になります。腹痛を訴えることもあります。発熱は多くの場合ありません。尿検査をすると尿の中にケトン体という物質がたくさん出ています。ケトン体は体がブドウ糖をうまく使えなくなって、代わりに脂肪をエネルギーとして使うために出てくる分解産物です。

治療
治療の種類
 塗り薬 アポハイドローション20%  塩化アルミニウム外用剤
 注射薬 ボツリヌス毒素局注療法
 抗コリン経口薬
 イオンフォレーシス
 手術

  ※アポハイドローション20%
 手のひらの皮膚から吸収され、皮膚の下にある交換神経から出される発汗を促す物質をブロックすることで、過剰な発汗を抑えることが期待できます。
 1本 4.5mlが4.32g 2本まで。これを繰り返す。

※以前は塩化アルミニウム外用剤を使ったりしていましたが、今ひとつ。だったので新たにできたこの治療薬は期待できます。

HDSS(多汗症疾患重症度評価尺度)
 スコア
 1 発汗は全く気にならず、日常生活にマット買う支障がない
 2 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
 3 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
 4 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある
  ※適応年齢
 ◎12才以上 (10才未満の使用経験がない)
 ◎10〜12才に処方する場合
  HDDSの評価 3 以上
  保護者監督のもと
   上記レセコメがある方がのぞましい。

※12才以上の場合でもHDDSの評価の記載がある方が切られにくい
       
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