急性痘瘡状苔癬状粃糠疹 Mucha-Habermann disease


急性痘瘡状苔癬状粃糠疹とは
かなり少ない疾患ですが、小学校から高校生の男児に多い皮膚の疾患です。

症状
体や手足の日光に当たりにくい場所に小豆粒くらいの赤い発疹が出ます。
やがて水痘のような水疱になり、これがつぶれてかさぶたになった後、黒ずんだシミのような固まりに変わります。このような症状が数週間から数ヶ月、時には数年にわたって繰り返して起こります。
変化の途中のいろいろな段階の発疹が同時に存在するので、全体としては赤い発疹や黒い発疹が混じり合った複雑な症状となります。

原因
はっきりわかっていません。体のどこかに感染した場所があって、その感染に対するアレルギーという説もあります。
ウイルス感染が引き金になっている可能性があります。いずれにしても免疫系の異常が関係しているようです。

治療
根本的な治療はありません。時間はかかっても自然に治ってゆく病気です。この病気は類乾癬の一種ですが、悪性化することはありません。焦らずに経過を見ます。
炎症を抑える薬や抗アレルギー剤などを使うことがありますが、あまり効果は期待できません。その他、皮膚の細胞の紫外線に対する感受性を高める薬を飲むか塗った後、紫外線を当てる方法もあります。
日光には異常な免疫反応を押さえる働きがあることを応用しています。この病気では、顔や手足の先など、日光に当たる場所には発疹がでないことからも、日光に治療効果があることがわかります。

日常気をつけること
皮膚を清潔に保つように心がけます。入浴も大丈夫です。石けんを使ってもかまいません。発疹がただれていて細菌の感染をうけやすいようでしたら、湯船につからず、シャワーだけにするのも良いでしょう。
日光浴もしてください。汗をかいたら、下着を頻繁に変えることも大事です。

食べ物の制限
辛いカレーのように汗の出るものは避けましょう。かゆみを増すといわれるホウレンソウ、ナス、タケノコ、サトイモ、ヤマイモなどもできるだけ食べない方が良いでしょう。

類乾癬
慢性の皮膚病で原因は不明。タイプによって性質は全く違う。ムッカ・ハーベルマン病のように、小さい発疹が分散する「滴状」は男の子がかかりやすく自然に治りやすい。
これに対し、大きな斑点が生じる「局面性」と、皮膚のきめが部分的に荒くなる「苔癬状」は中年の男性に多く発生し、悪化すると菌状息肉症というリンパ種になることがある。

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