吃音(きつおん:falter)


症状
 吃音(きつおん、どもり)とは,日常的に話しことばの一部がつまったり、くり返されたり、引き伸ばされるなどでスムーズにしゃべれないことをいいます。 2〜3歳の児の頻度が高く、幼児期では4%位の子どもにみられといわれ男児の方が多いです。
発語の異常のほかに、これにあわせて目をつぶる、眼をしかめる、頭を振るなどの体の動きを伴うこともあります。

家庭での注意
 本人にあまり意識させないようにします。吃音があっても、指摘したり、言い直しをさせたりしないようにして下さい。
 つかえても、気にせずに、ゆっくり話を聞き、ゆっくり話し返してあげましょう。気にさせないようにすることが大切です。
吃音を意識して、不安が強い、人と話すことを避けるなどの様子がみられれぱ受診しましょう。
受診先は小児神経科です。
 多くは機能的な吃音であり、必要な診察・検査としては、話し方、身体の動きの様子をみることと家庭や集団での様子を聞くことが重要です。
吃音が脳性麻痺などの器質的な疾患に伴う場合もありますので、脳波検査やCT検査などをする場合もあります。
 本人の様子や周囲との関係で,葛藤がありそうであれば、心理検査も行い、治療に役立てます。

予後
 幼児期に発症した吃音の80%は小学校に入学するころには消失します。入学後の学齢期に発症した場合は、思春期でも残存する場合があります。多くは、周囲が意識させないように見守っていれば、特別な治療をせずに治癒します。
本人が吃音のためにストレスが強い場合は、話し方のトレーニングや心理療法を行うことも必要です。
まれですが成人になっても完治しない場合もあります。
(文献 子育てのアドバイスと育児相談 P136  南山堂 渡辺 響子)

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