紫外線 Ultraviolet

紫外線と皮膚バリアの関係を見直す


紫外線(Ultraviolet;UV)は皮膚には諸刃の剣である。UVB曝露はビタミンD合成に必須であるが、他方サンバーン(急性炎症)を引き起こし、UVAとともにシミ、しわなど慢性紫外線障害(光老化)を進行させ、光発がんリスクを高める。
UVBは角層を障害して皮膚バリア機能を低下させるが、バリア機能が低下した皮膚はさらにUVB感受性が高まるという悪循環に陥る。
アトピー皮膚はUVAに対しても高感受性である。健常人であっても小児期あるいは若年齢での過度の紫外線曝露はドライスキンを生じさせ、その結果ますます紫外線感受性が高まるため光老化の進行が早まる。 従ってサンスクリーン剤を用いた夏場の紫外線対策はサンバーンを防ぎ美肌を保つために有用であるが、同時にドライスキン予防にもつながる。
さらに夏場に使用感の良い乳液タイプあるいはフォーム型の保温剤を用いたスキンケアを適切に行うことは、紫外線による皮膚ダメージを早期回復させ、ひいては高まった紫外線感受性を正常化する。
皮膚の健康維持のためには、冬場のみならず夏場でも保湿剤を用いた日々のスキンケアが必要である。

(大阪医科大学皮膚科教授 森脇真一先生)


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