赤ちゃんの黄疸


新生児黄疸
黄疸とは、赤血球の分解されたあとの物質であるビリルビンが増加(高ビリルビン血症)するために、皮膚や粘膜にたまり黄色になった状態をいいます。
新生児期にはおなかの中での赤ちゃん赤血球がたくさんあり、このため赤黒く見え、その結果赤ちゃんといわれるのです。 胎児期にはその数の多かった赤血球が破壊されることによってビリルビンがたくさん作られ、また新生児期には肝臓でビリルビンを処理する働きが(グルクロン酸抱合)が不十分なために黄疸が出てくるのです。

新生児生理的黄疸
上に述べたような理由で新生児期には程度の差はありますが、ほとんどの新生児に黄疸はみとめられます。これを新生児生理的黄疸とよばれます。
ふつう生後2〜3日にあらわれ、4〜5日目ごろが最も強くなり、1〜2週間で消えていきます。
母乳栄養の乳児の一部に黄疸が1か月以上持続することがあります。
これは母乳黄疸とよばれますが、黄疸以外に問題はありませんので、特別の治療を必要としません。
ときに母乳をやめるように指導されている場合がありますが、必要ありません。かえって、母乳が出なくなりますので、やめないようにしてください。

病的黄疸
新生児期の病的黄疸の原因には、ビリルビンが過剰に産生されたり(溶血性黄疸)、肝臓のビリルビン処理機能が劣る場合(新生児肝炎症候群・未熟児)、胆汁の排泄が障害される場合(先天性胆道閉鎖症)などがあります。
病的黄疸の経過は、上に述べた生理的黄疸のそれとは異なり、生後24時間以内に黄疸があらわれたり、異常に強い黄疸を呈したり、あるいは黄疸以外の症状を伴っていたり、1ヶ月以上黄疸が消失しなかったりするものです。
血中のビリルビンが異常に増加した状態を高ビリルビン血症といいます。高ビリルビン血症は黄疸の危険な合併症である核黄疸の原因となります。
核黄疸とは、どリルビンのために脳神経細胞が障害されておこる疾病で、予後がわるく死を免れてものちに脳性麻痺を残すことから、予防をきちんとしておかなければなりません。

新生児溶血性疾患
母親がもっていない抗原を、胎児が父親からゆずられてもっている場合に不適合妊娠といいます。新生児溶血性疾患とは、妊娠中の母体が胎児赤血球(抗原)によって感作(アレルギー反応をおこすこと)され、その結果母体中に生じた抗体が胎盤を通って胎児に移行し、胎児や新生児の赤血球を破壊(溶血)して、貧血と黄疸が強くなる疾患です。
代表的なものは、Rh式あるいはABO式血液型不適合による場合です。

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